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★★ この人に注目!芥川賞作家 平野啓一郎氏 ★★
今から約3年前、1998年下半期 第120回芥川賞(日本文学振興会主催)が年明け
の1月14日に、平野啓一郎氏の『日蝕』と発表され、業界はもとより、世間を騒がせた。
当時、平野氏は京都大学4回生で23歳。現役の大学生が芥川賞を受賞するのは村上龍氏
以来23年ぶりのこと。しかも、23歳の最年少での受賞は、大江健三郎氏、丸山健二氏
に続き3人目。受賞作『日蝕』は彼のデビュー作で、文芸誌「新潮」の巻頭に掲載された
約250枚の中編小説。三島由紀夫の再来ともいうべき神童が文藝に聖性を呼び戻す。
今現在も京都で暮らす平野氏に今回はスポットをあて、受賞時の気持ち、エピソードから
キャンパスライフや現在のプライベートなことまでたっぷりインタビューしてきました!
受賞時は「茶髪にピアス」というスタイルが話題になり、文学界に新風をもたらしたとい
う。今回のインタビューは「金髪」で登場!!今どきの作家の姿をじっくりご覧下さい。
直筆サイン入り『日蝕』『一月物語』プレゼント!!
応募はこちら!(2001年10月31日まで!)

芥川賞作家 平野啓一郎氏

受賞作品「日蝕」
<芥川賞受賞作『日蝕』>
 作品は、15世紀末、ルネサンス前夜の南フランスが舞台。異端審判
 をテーマに若き神学僧が小さな村で、錬金術師や魔女狩りに出会い、
 両性具有者の火刑を目撃する中で、自己と世界が溶け合う超越的体験
 の物語。文章は凝った漢文的な文字遣いで、芥川賞の選考委員ですら
 「漢和辞典を引き出しながらでないと読めなかった。」というほど。
 この漢語的な表現を巡り、発表当初から賛否両論が渦巻いていたが、
 「現代小説の異端にして、文学の正統をなす」と高い評価を受けた。



■ 公私共にたっぷりインタビュー!! ■

 Public
●まず、「芥川賞」受賞直後の様子はどのようなものでしたか?
受賞したのは、大学を卒業する年でしたので、直後のさわぎと、卒業試験が重
なって、とにかく大変でした。授賞式も、卒業試験があったので1時間遅らせ
てもらったんですよ。正直、そこまでしてもらったのに、卒業できなかったら
どうしようって思っていました。当時は、うれしいという気持ちよりも、なん
かバタバタしてて慌しかったですね。
●受賞する前と後では周りの人の反応は変わりましたか?
そうですねえ。ただ、僕の場合はデビューのときにわりと派手に宣伝してもら
えて、本を出してすぐのころに周りが騒がしくなったので、その頃から手応え
は感じてました。でもやっぱり受賞してからは、ふだんとは全然違った反響が
あったのも事実ですね。いつもは本を読まない人でも読んだりとか、文壇(文
筆活動をしている人たちの社会)以外のジャンルの人、例えば、宗教学とか文
化人類学とかをやっている人も読んでくれるというようなことがありましたの
で、それはやっぱりうれしかったですね。
●芥川賞を受賞されたときの気持ちは?
うれしかったです。
●受賞はどのような方法で知られたのですか?
その時は東京の出版社の宿泊施設にいて、選考の間、お寿司を食べたりビール
を飲んだりしてけっこういい気分でいたんですけど、そこへ電話がかかってき
て受賞の報告を受けました。
「賞を受けていただけますか?」ときかれたので「よろこんで。」と答えまし
た。
僕の場合は、苦節何十年とかいう作家ではなくて、初めて投稿した原稿でいき
なり「芥川賞」をもらったので、感慨とかそういうのは全くなかったですね。
賞をもらうと、どういうことになるのかというのも、当時あんまりよくわかっ
ていなかったので。例えば、文壇に長くいる作家は、受賞するとこういう点で
有利だとか、その他のことをいろいろ知っているから、うれしさもまた違うん
だと思いますが・・・・。
でも以前とは違う変化を実感したのは、本を書くためにわからないことや、調
べたいことがある時、どこかの大学の教授に話を聞きたいと思えば、「芥川賞
を受賞した平野さん」ということで先方の応対が今までとは全然違い、仕事の
面でかなり有利になったことです。だって、怪しげな自称作家の25、6歳の
青年が訪ねても正直相手にされないのが現実ですからね。
今になって受賞してよかったって実感してますよ。(笑)
●受賞を一番に伝えた人はだれですか?
その施設にいたみんなが、「家に電話しては?」っていうので一応家に電話し
て親に受賞の報告をしました。
でも、実家にもすでに電話が殺到していて、1日100件とかいう数になって
いて、つながってすぐに切ることになってしまいました。だから、かなり手短
な報告になってしまったんですよ。ほんと、実家はパニック状態で大変だった
みたいですからね。
●本を書こうと思ったきっかけは何だったのですか?
一番はじめに小説を書こうと思ったのは、高校2年のときで、だいたい原稿用
紙80枚くらいのを書きました。本がもともと好きだったので、その延長とい
うことになるんですが。
でも、どこかに発表するつもりで書いたんじゃなくて、個人的に何人かに見せ
ただけだし、どうしてそれを書こうかと思ったのも、僕自身なかなかことばに
できないですね。
でも、大学に入ってからは、真剣に作家になろうと考えだしましたね。
●その高校生の時に書かれた初回作ですが、どこかに発表する予定は今後もないんですか?
発表するつもりはないですね。そんなに『デキ』がいいとも思わないし。今で
も原稿は手元にあるんですが、全く読んでないですね。今読んだら結構はずか
しいかもしれません。
●平野さんが尊敬する人物は?
好きな作家はたくさんいますが、一人にしぼるのは難しいですね。
でもあえて挙げるとしたら、日本人では「森鴎外」がずっと好きです。
あと「三島由紀夫」の作品も好きですけど、”尊敬”と言われるとちょっとま
た違うような気がしますね。
●今までに読まれた作品で印象に残っているものは?
たくさんありすぎて、ひとつこの作品というふうにしぼるのは、かなり難しい
ですね。もちろん、「森鴎外」の他にも好きな作家はたくさんいますし。
●今までどのくらいの本を読まれましたか?
うーん。ちゃんと数えたことはないんですが、まあ、本を読むこと自体が仕事
みたいになっているので、それはもうたくさんありますね。プライベートで小
説を読むことも、もちろんありますし、あと、小説を書くための資料として読
むものもあるので、ほんと何冊になるのだろう?って逆に僕が思いますね。
●自分の本が書店に並んでいるのを見てどう思いましたか?
正直なところ、恥ずかしかったですね。なんか、積んで置いてある本をじっと
見ている姿もみられたくないし。でも賞をとってからは、けっこう書店のいい
場所に並べてもらってたので、否が応にも目につきましたね。
恥ずかしい反面、やっぱりうれしかったです。
●今後の活動は?
今、2000枚くらいの作品を書いているんですよ。来年の初頭くらいに単行
本として発刊することが決まっているので、その執筆をしてますね。
●執筆をするにあたって読者に伝えたいことは何ですか?
たくさんありすぎて、簡単に一言では言い表せないですが、でもまあ、好きに
読んでもらえればいいと思います。



*** 作家の日常って?!***
気になるプライベートな部分にも直撃!!



 Private
●生まれは愛知県とお聞きしてますが、何歳まで居られたのですか?
生まれたところは愛知県ですが、2歳のときに転居して大学に入るまでずっと
北九州に住んでいました。早いもので、京都に住んで、もう8年になります。
●キャンパスライフは?
大学は本当に自由な学校だったので、まあ、試験の時はかなり勉強しましたけ
ど、それ以外はやっぱり本が好きだったので、本に耽ることがたびたびありま
した。もちろん、友達と遊んだりもしましたよ。
あと、”軽音のサークル”に入っていたので、バンドとかもやってました。
●楽器は何をされてたんですか?
ギターをしてました。オリジナル曲とか演奏してました。僕はいくつもバンド
を掛け持っていたので、激しい曲から今時の曲まで・・・。
とにかく、なんでもやってましたねえ。
●学園祭などのイベントでも演奏されたことあるんですか?
はい。やってました。バンドも含め、いろいろと好きなことがたくさんできた
ので、けっこう学生時代は楽しかったですね。
●京都でお気に入りの場所はどこですか?
今、御池通の近くに住んでいるんですけど、その御池通りを挟んで南北にいろ
んなカフェがあるのでそこへよく行きますね。そこでぼーっとしていることも
多いです。(笑)あと、一人暮らしなので、カフェに行って食事をすることも
よくあります。だから好きな場所というと最近はその辺りになりますね。
●休みの日には何をされていますか?
最近凝っているのが、「格闘技観戦」です!『プライド』っていう大会がある
んですが、その大会は毎回見に行ってますね。
●どこまで見に行かれるのですか?
”埼玉”とかけっこう遠方までわざわざ見に行きますねえ。学生時代から好き
でしたし、最近はいい席が取れるようになったので、ますます熱が入ってしま
うんですよ。
●ご自身も「格闘技」はされるのですか?
いえ、自分ではしないんですが、見るのが好きではまってますね。ストレスの
発散にもなるし。
●ところで、気になる『好きな女性のタイプ』は?
あまり、こういうのじゃないとっていうのはないんですが・・・・。芸能人と
かでも、特に決まった人はいなくて。僕、けっこう飽きっぽいんですよ。(笑)
服装とかも、その人に似合っていればなんでもいいと思いますね。
●初恋はいつでしたか?
どれが初恋だったのかなあ?
●好きな食べ物は何ですか?
季節とか気分次第で変わるんですが・・・。
でも、けっこう「カレー」とかが好きなんですよ。(笑) 嫌いな物はないですね。
●自炊はされるんですか?
大学生のときは自分で作ることもあったんですが、仕事をするようになってか
らは、人と会って食事をすることも多いので、ほとんど自炊はしなくなりまし
たね。材料を買って家に置いておくと腐っちゃうんですよ。(苦笑)


 Message
●最後にLOOKPAGEをご覧のみなさんにメッセージをお願いします。
来年の初頭には、本を出すので、みなさん刊行をたのしみにしていて下さい。
今回の作品もけっこう自信があります!ご期待下さい。

それまでは今までの作品を読んでもらえればうれしいです。



★★★プロフィール★★★
平野 啓一郎
(ひらの けいいちろう)
 1975年 愛知県生まれ。
 福岡県立東筑高校卒業後京都大学
 法学部に入学。京都大学在学中に
 文芸誌「新潮」に投稿した第一小
 説『日蝕』が巻頭に一挙掲載され
 話題を呼ぶ。
 そして、その『日蝕』が第120回
 芥川賞に輝く。当時、平野氏は、
 まだ現役大学生!文学の世界に新
 たな旋風を巻き起こした。

公式ホームページ
 http://www.k-hirano.com/

 ●2作目「一月物語」も発売中!



◆◆◆ あとがき (記事担当者より)◆◆◆
今まで、いろんな方にインタビューしてきましたが、作家の先生にお願いする
のは今回が初めて。事前に平野さんの作品を拝見していたことも引き金となり
なんとなく個人的なイメージとして作家というと「難しい人で、話をするとい
ってもうまくいかないんじゃないかな」とか「途中で怒って帰られたらどうし
よう?」とか取材前から、どきどきが続き緊張していたのですが、待ち合わせ
をしていた市内某ホテルに現れた平野さんの姿にびっくり!髪は金髪、服装は
モード系でかっこよくまとめられている。辺りを見まわす平野さんのところへ
近づくと、笑顔で「今日はよろしくお願いします。」とさわやかにあいさつを
してもらえました。はじめのそれだけのやり取りだけで、私の個人的なイメー
ジは覆され、変な緊張も緩和されました。
席について、インタビューをはじめると、こちらがするたくさんの質問に快く
応じてもらえ、私が事前に心配していたことなど全く感じることなく、スムー
ズに進んでいきました。
そしてLOOKPAGEの紹介をすると「僕もインターネットしているので、
こんなに身近な情報ばかりならこれから活用させてもらいますね。」とうれし
い言葉もいただきました。
デビュー作でいきなり文壇の登竜門を突破したのは一見、今どきの”クールな
好青年”。しかしその早熟な才能は、まさに芥川竜之介をほうふつさせるよう
に思います。
これからの作品にも期待し、個人的にも応援し続けていきたいと思います。


●取材、撮影協力/平野啓一郎氏、新潮社出版部

●取材・制作・編集・写真  橋本 純子

※注 『日蝕』の「ショク」は、正しくはWeb上で表示できない漢字のため
   新字に置き換えて掲載しております。

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