トップページ トピックス検索 これからの予定 バックナンバー 懸賞 メルマガ
3月の歴史 琵琶湖に秘められた、船の歴史を追う! 2003/3/1
[2月の歴史] [4月の歴史]


毎月1回、過去のその月にあった出来事を
振り返って、一体どんな事があったのか
調べてみよう!という「今月の歴史」シリーズ。
梅の花咲く3月がやってきましたね!
時代は違っても、人の心は変わらないもの。昔の
人もきっと、いろんなところで目にする春の訪れ
に、ワクワクしていたんでしょうね。過去の時代の
3月には一体どんなことが起こっていたの
でしょう?

1867年3月、琵琶湖を航行した、日本初の
湖上汽船(湖を航行する蒸気船)、一番丸!
話は、今から約130年前までさかのぼります。
ときは、1867年(明治2年)3月、琵琶湖で、
新時代の到来を告げる出来事が起こっていたん
です!当時この場所で、日本の湖では初めてと
なる、蒸気船「一番丸」が就航したんです!
それまでは丸子船と呼ばれる、帆をはって風の力で
進む船が主流だったんですが、一番丸の登場に
よってその後の琵琶湖は「汽船の時代」を向かえ
そして現在のように観光船が行きかう時代を
むかえました。

今回は一番丸の船出の月、1869年の3月
足がかりに、琵琶湖の船の歴史を紹介したいと
思います!では、さっそくいってみましょう!

 目次 琵琶湖の船の歴史をたどる! 
琵琶湖で生まれた蒸気船! 
※クリックすると項目へとびます。

◆琵琶湖の船の歴史をたどる!◆


昔の浜大津港(1882年頃)

今の浜大津港(2003年頃)
レポーターは今回、琵琶湖の船のことを調べに
大津市歴史博物館へいったのですが、途中
歴史の舞台となった琵琶湖を見に、浜大津の
港へいってみました。100年以上も前の浜大津の
港の写真(左)と今の写真(右)を見比べても
どれほど歴史が進んだのかわかりますね!
こういった琵琶湖の港を舞台に、時の流れが
いろんな船の歴史を作っていったんです。

さて、まずは琵琶湖に(日本に)初めてやってきた
という、一番丸という蒸気船。一体どんな
船だったんでしょうか?そのころの船の話
からいってみましょう!

丸子船
蒸気船が走るまで
活躍していました。
◆湖上汽船ってどんな船だったの?
さて、冒頭でも紹介しましたが、琵琶湖で
初めて、日本の湖では初めて蒸気船が走った
のが、今から130年ほど昔、1869年の3月でした。
一番丸は、木造の蒸気船で、1868年の
12月3日から造られ、4ヶ月ほどで完成しました。
一番丸は5トン、12馬力の船で、大津・
海津の間を、後ろに丸小船という小さな
船を引いて、時速7.4キロで航行していました。
旗と煙をなびかせて進む蒸気船の姿に、
当時の人々は、日本の近代化の風を感じたと
いわれています。

◆蒸気船を造ったのはどんな人?
一番丸の就航の仕掛け人は、一庭啓二
(いちばけいじ)と石川嶂でした。二人とも
蒸気船が走るずっと前からある琵琶湖の
船の組織、「大津百艘船」(おおつひゃく
そうせん)の仲間同士でした。特に、京都人
でもあった一庭啓二は、江戸幕府の終わり
ごろに、アメリカから日本へやってきた
黒船に強い衝撃をうけて「いつか琵琶湖に
蒸気船を航行させよう!」という夢を
持つようになったそうです。そして、
1867年にふたりは大津で出会い、長崎で
オランダ人に航海術や造船技術を学んだり
しながら、一番丸の造船にこぎつけた
のでした!

◆琵琶湖の船の組合?大津百艘船ってなに?
さて、ここで琵琶湖に汽船を誕生させた男、
一庭啓二も入っていた「大津百艘船」という
組織に注目してみましょう!"おおつ
ひゃくそうせん"って読みます。なんだか
ちょっとカッコイイ名前のこの組織、
実はながーい歴史をもっていて、琵琶湖の
船の歴史上、とっても重要なものなんですよ!

時代は豊臣秀吉の登場する安土桃山時代
までさかのぼります!随分古いですね。
このころは、織田信長などいろんな勢力が
全国で、領地やリーダーシップを巡って
戦争をやっていいて、豊臣秀吉の
全国統一でやっと落ち着いた時代でした。

琵琶湖での水運(船で荷物を運ぶこと)は、
平安時代くらいからすでに始まっていて
電車や飛行機がなかった昔の時代には
特に重要な輸送手段でした。秀吉は、
その重要性を良く知っていて、琵琶湖
での水運をしっかり管理すること、輸送
される物資の中継都市として、大津を
発展させていくことなどを目標にしました。
そして、まず始めの一歩として、1587年頃
琵琶湖で水運業をやっていた主な船、
100艘を大津港に集めて、琵琶湖の船の組織を
作ったのです!では、一体どんなことが
この船の組織「大津百艘船」で行われて
いたのでしょうか?今度はそこを探って
みますね。

◆「大津百艘船」の功績!
秀吉公認の船の組織、「大津百艘船」には
人や荷物の輸送を独占できる権利など、
いろんな特権が与えられました。そうやって
大津の港をもっと活性化することで、琵琶湖の
水運を管理し、物資の補給路を支配する
ことが、国を治める上で重要だったからです。
琵琶湖の船がまとまってきてからは、もっと
いろんなこともやったようです。船奉行という
水運と船の役職を用意してきちんと管理をさせたり、
船の運賃も細かく決めたり、積荷などを巡って
船同士でトラブルが起きないように、法律も
定められたようです。そして、秀吉の時代が
終わってからも、船奉行など、きちんとした
船の管理体制は江戸時代まで受け継がれて
いったのです!

結果として、以前はひなびた感じだった大津港
も、湖岸にいろんな藩の蔵屋敷が建ち並び、船を
巡って行きかう人々で活気づいてどんどん発展して
いくようになりました!

◆蒸気船以前の船はどんなだった?
ところで、「大津百艘船」の時代から蒸気船が
登場する前までは、一体どんな船が活躍して
いたんでしょうね?江戸時代の船奉行の残した
記録によると、どうやら丸子船という荷物の
運搬船が主力となって活躍していたようです!
最盛期は1300艘もあったようです。普段は帆で
風の力を利用して航行し、風の無いときには
竿や櫓を使って航行していました。この船は
琵琶湖独特のものなんだそうです。

◆蒸気船のその後
蒸気船・一番丸のデビュー以降、滋賀県も
汽船の運航を推奨するようになったそうで、
大津以外でも、彦根・長浜・海津などの町で
ぞくぞくと汽船が造られるようになって
いきました!汽船の会社も沢山設立されて
琵琶湖はまさに汽船の時代!というほど
にぎわいをみせていたそうです。

その後、京都と大阪間で鉄道が走ったり
しまして、時代は徐々に鉄道の時代へと
移り変わります。琵琶湖の蒸気船も、
1889年(明治22年)の東海道線の開通に
よって、物資の輸送が船から鉄道にまかされる
ことが多くなって、輸送手段としては
活躍の場が減ってしまいました。しかし!
琵琶湖の美しい景色を最大限に利用する
方向で、蒸気船は観光船としてふたたび
活気をとりもどしていくことになります。
その流れをくむのが、現在、琵琶湖で
乗ることができる遊覧船なんですよー。

皆さんは、琵琶湖の船の歴史が実はこんなに
長かったってご存知でしたかっ?
一庭啓二
琵琶湖に汽船を走ら
せた、仕掛け人。
帆を張る丸子船
普段は風の力を利用
して走ります。

遊覧船ミシガン
蒸気船の流れを
くむ、遊覧船
浅野長吉制札
大津百艘船の
特権が記されて
います。


◆ 一番丸の時代に琵琶湖で活躍した蒸気船! ◆

一番丸の活躍していた、明治時代初期には
木造の蒸気船が沢山作られたそうです。
実際どんな船が、琵琶湖のどんなコースを
巡っていたんでしょうね。それを、調べて
年代の古い順に簡単な表にしてみました!

船名 製造年月 製造場所 船の馬力 重量 船の航路
一番丸 1869年
 (明治2年)3月
大津 12馬力 5トン 大津〜海津
二番丸
(三光丸)
1869年
 (明治2年)10月
大津 14馬力 14トン 大津〜海津
金亀丸 1870年
 (明治3年)12月
彦根 15馬力 18トン 米原〜大津
湖上丸 1871年
 (明治4年)2月
海津 15馬力 7トン 大津〜塩津
成程丸
(盛大丸)
1872年
 (明治5年)2月
大阪より買請 8馬力 7トン 大津〜大浦
大津〜今津
湖龍丸 1872年
 (明治5年)3月
西京より買請 8馬力 6トン 長浜〜大津
渉湖丸 1872年
 (明治5年)9月
大津 15馬力 14トン 大津〜塩津
大津〜飯之浦
千令丸
(無事丸)
1872年
 (明治5年)
大津 10馬力 5トン 米原〜大津
松宝丸
(蝶松丸)
1872年
 (明治5年)9月
松原 10馬力 22トン 松原〜大津
琵琶湖丸 1873年
 (明治6年)4月
大津 6馬力 5トン 飯之浦〜大津
長運丸 1873年
 (明治6年)4月
長浜 8馬力 8トン 長浜〜大津
小鷹丸 1874年
 (明治7年)2月
飯之浦 10馬力 5.1トン 常楽寺〜大津
陽春丸 1874年
 (明治7年)2月
飯之浦 7馬力 6トン 飯之浦〜大津
浪花丸 1874年
 (明治7年)6月
船木 6馬力 5トン 塩津〜飯之浦
塩津〜大津
満芽丸 1874年
 (明治7年)9月
大津 4馬力 3トン 大津〜飯之浦
大津〜塩津
大津〜船木
大津〜大津

年表を見ると、わずか5年ほどの間に
15もの蒸気船が造られていたことが
わかりますね!蒸気船乗り場も港も
きっと人で、一杯だったことでしょう。
航路も年を追うごとにだんだんと増えてきて
います。一度は乗ってみたい気分ですネ!


●取材・制作・編集・写真  岡本 卓也

このページの感想:よろしければ、下のボタンを押してください。
すごくよかった。    まあまあよかった。    全くよくなかった。

■■■ ご意見欄 ■■■

   
トップページ トピックス検索 これからの予定 バックナンバー 懸賞 メルマガ

当サイトの情報を利用又は活動により発生した全ての損害・損傷などの責は負いかねますのでご了承ください。
当サイトの情報の全部又は一部を当社の承諾なく複製する事はできません。

Copyright (C) 1998-2006 関西シンシアー株式会社. All Rights Reserved.